2007年08月05日
伝統野菜
料理長が野菜についていい話をしてくれているので、僕も久々に伝統野菜について一言...伝統野菜と言ってもけして特別な野菜ではなく、昔からその風土の中で作られその地域の人が日常食べていた普通の野菜です。その野菜が流通や科学の発達の過程において取り残されていったということです。要するに現在の野菜というのは、市場で一番高値で売れるものということでしょうか? それも時代の流れやし、農家の方の死活問題であるわけなので成否はつけられないかな?
我々も所属する浪速魚菜の会という会で面識のある農学博士の森下先生は以下のように話しています。
『我々人間は、その地域の気候風土のなかに生きているわけであり、同じ風土で育った四季折々の野菜を食べることは、例えば、春に苦味のあるフキのとうやセリを食することが冬場に蓄えた脂や塩分をゆるやかにし、またナス、キュウリ、トマト等の酸っぱいものを食することは夏の暑さに耐えるために体の脂や塩分を抜くのに効果がある。そして、秋には唐辛子や生姜を食べ、夏にゆるんだ体に刺激を与え食欲を増進させ、冬の寒さを乗り切るための塩や脂の蓄積を助ける。このように地域の気候風土に適した自然体を育むために、四季折々の野菜の持つ六味(苦い、酸っぱい、甘い、辛い、塩辛い)を良く知り、それを生かし食することが大切であると言われている。』
元来日本人はこうした日常生活の食事の中で味覚が養われてきたわけですけど、見た目も同じ、味も同じという無個性の素材が増えてきたなかでその味覚も衰退の一歩を辿ったのです。
伝統野菜は必ずしも大量消費を目指すものではないし、大量生産できて万人向けの味が保証された品種ではないけれど、「食の安全」や「食育」が問われる今こそ、足元にある“地野菜”を通して、地域と暮らし、また日本の地の美味を見詰め直すきっかけになればいいなと思います。
